その名はフリーハンドSTD

icon-TAKAじゃーん。

ついに届きました。フリーハンドSTD(スタンダード)。Proに対しての呼び名としてしばらくの間わかりやすくするためにSTDという呼称をつけさせていただきます。

もともとは前作のフリーハンドの後継機種を作ろうということで始まったこのプロジェクト

一般向けに作られたバンブルビーGTベースのフリーハンド2(2というのも日本だけで言われてる呼称で製品名はフリーハンドです)と、ベアリングホイールズの改造をベースにしたスティーブブラウンのデザインしたフリーハンド(オリジナルとも呼ばれます)から発展した競技向けのフリーハンドZEROとその歴史を紐解くだけでも複雑な2系統の機種がありました。2000-2002年頃はフリーハンドが全盛の時代もあり、金属リムウエイトやフルメタルというのが一般化する前のプラスティックの使いやすい機種として、またコレクターズモデルとして人気がありました。

もともとはアメリカで作っていたフリーハンド(オリジナル)の金型が壊れたために、絶版になり、その変わりにドラゴンフライの金型を流用してしかたなく(?)作られたのがフリーハンド2で、バンダイのハイパーヨーヨーをきっかけにフリーハンドゼロの金型が復活したというややこしい経緯もありました。

そんな2系統を一気に廃盤にして新規にデザインをするということで、このヨーヨーは開発スタート時からバインドと引き戻し両方に対応したデザインを求められていました。

フリーハンドPROが発売された時にKKベアリング搭載でバインド仕様で、透明のBOX仕様だったことに違和感を覚えた人もいるかもしれません。フリーハンドといえばブリスターパッケージが定番でした。

このフリーハンドは競技マーケット向けのバインドのPROと一般流通向けの引き戻し仕様のスタンダードタイプの2種類で展開が予定されていたのでした。

というわけでこちらはアメリカの一般流通にも乗る可能性のある通常商品として、ブリスター入りでの発売です。カラーの選択も今後発売が控えているフリーハンドPRO通常版(限定版ではない一般モデル)がナイキなどのスニーカーの蛍光色を中心にしたド派手な組み合わせからインスパイアされているのに比べるとSTDはおもちゃっぽさを残した”ダンカン感”あるカラーになってます。

いままでにない色のキャップやボディがあるので新しい組み合わせが楽しめそうですね。


レッドのレッド具合もいい感じでダンカンのテーマカラーにマッチしています。やっぱりこの色がないと。

ブルーxオレンジキャップも王道ブルーなのでキャップは自分で自由に変えちゃえばいいかと。ナーフっぽいカラーの組み合わせでおもちゃ感あって個人的には好きです。

ホワイトボディxレッドキャップはダンカンの王道組み合わせなのでよいのですが、今回、抹茶グリーンだけ、このラインナップの中でも違和感ありまくりで、発注通りのカラーなのか、これで仕上がってしまったのかという感じです。

色としてはおしゃれなので4色あるうちの1色あえて外してきた、ということでしょうか?いろいろ考えていくと面白いです。いままでのダンカンにもなかった変わった色です。ヨーヨージャムのスピンマスターIIIの色に一番近いかと。

というわけで全色揃えたくなるSTDシリーズ、今月末にはフリーハンドPRO通常版も発売が予定されていますのでお楽しみに!

おっと、商品仕様は薄型Cサイズベアリングに厚めのパッドという形で、引き戻しの定番になってます。簡単にスリープできるのがこれからの初心者にもおすすめして行きたいですね。

もちろんパッドを変えて、ベアリングを変えたらバインド仕様にも変更できるので、ステップアップもしてけるヨーヨーです。キャップ交換の楽しみなど過去のレガシーを活用できるダンカンらしい遊び心も残っています。


フリーハンドの発売と関連して語っておきたいヨーヨー改造の黎明期の出来事。

フリーハンドが発売される前に、ホイールズをベアリング化する改造が流行っていて、DrMoというModder(改造する人)が改造したベアリングホイールズはスティーブブラウンが大会で使用するなどみんなの憧れで、改造品が売買されている時期もありました。

当時やりやすいバタフライのベアリングヨーヨーにバンブルビーGTや後半に出てきたレネゲイトしかなかった中での重さのあるホイールズのベアリング化は当時のプレイヤーたちを熱狂させていました。

ABSという素材だったのと当時の子どもたちは旋盤やドリルすら持っていなかったのでカッターナイフとライターだけでベアリング化するという謎の改造技術が流行るほどヨーヨーを改造したいと思わせたあの究極の未完成機種、ホイールズが2016年、新作になって帰ってきました!

icon-taka-tobe全12種類!!

流石にため息でる種類の多さです。このホイールズ、トランスアクセルといってプラスティックのベアリングが入っています。そして内側をよく見るとわかるのですが、バタフライXTの金型をそのまま流用しています。

あの憧れだったホイールズのボールベアリング化がサイズCのベアリングをつけるだけでいとも簡単にできてしまうという!しかもMODSスペーサーもつくので超ワイドホイールズも”無改造”でできてしまう時代に。

あのベアリングホイールズに熱狂していた頃の自分にそんな将来がくると教えてあげたいです。このホイールズキャップは頑張れば他のメタルヨーヨーについたり、またバタフライXTのボディを使うことでピンクの派手なカラーのホイールズを作ることができたりと組み合わせも無限大です。

さらにキャップ回りは48mmシリーズと互換性を持たせる改良をしているのでXTよりも互換性が上がってます。レーサーキャップなども組み合わせたら楽しさが止まらなくなりますね

少しだけ金型を調整しているのでベアリング化した時もXTよりもやりやすい気がすると評判です。ぜひ試してみてください!


SKUを増やしたいけど金型のコストを無制限にかける訳にはいかないメーカー事情の中での新しい?トレンドかもしれません。古くはバズオンが取り入れた手法でYYFも多用している同一金型別SKU。メーカーのプラスティックラインナップを見ているといろいろな事情が見えてくるかもしれません。(あとから気が付きましたが元祖はYOMEGAのブレインとファイヤーボールかもしれないですね)

今回のフリーハンドもホイールズもそんな事情から生まれている機種です。ダンカンの機種が徐々に若返りして古いラインナップがどんどん減っています。スピードビートルもついにホーネットの登場でディスコンになりました。スピードビートルは2000年頃のORBという光るヨーヨーの金型流用でその後パルスとビートルに分家してますが、ビートルも何回か金型をおこす機会があったにも関わらず改良せずに旧機種のまま生産が継続されていました。

ダンカンのビジネスモデルの場合、ターゲットやウォルマート、TRUなどマスマーケットが多いので、一度定番化するとラインナップを簡単に変えられないという問題もあります。メタルレーサーはメタルドリフターの後継機種としてデザイン、発売されましたが、メタルドリフターが定番すぎてバイヤーが乗り換えたがらないために、両方継続生産という特殊な事情に陥っています。


スピードビートルを一刺ししたホーネット。

前回あっというまに売り切れたホーネット2016も再入荷。開けポンで安心して使えるループ機種に仕上がっています。カラーもチームホーネットの金子隆也セレクト。競技者向けに美味しい色がそろっています。


デルリンスペーサー

メタルワッシャーも健在なので、別売りのデルリンスペーサーでより細かい調整も可能です。先日のJOYC東北では1位と2位の選手がホーネットで素晴らしいフリースタイルを披露していました。