SGHGグローストリング発売記念対談 Masaya x Taka 2020年8月4日 コラムSGHG by TAKA. 祝!SGHGストリング発売!既にご愛用頂いている方もたくさんいらっしゃいますが、その一方でまだどんな製品か知らない方もいらっしゃるかと思います。ということで今回はゲストの方をお招きして対談形式でSGHGストリングについて語ってみます。ゲストはこの方。 みなさんはじめまして。スキルトイ情報サイトZEST管理人のMasayaです。 Masayaさんは第一期ハイパーヨーヨーの頃からの古株で、かつてあった練習会、ヨーヨー友の会などでも一緒に遊んでいた仲間です。EJの3A部門で優勝されている経験もあり、技術に裏付けされたヨーヨーそのものに対する造詣の深さを初心者の人にどう人に伝えるかということを考え抜かれているのでスピンギアでもレビューをお願いしています。 過去のレビュー一覧 対談と言いつつ、今回はフリートークではなく、製品の説明をしつつ感想を伺えればと思います。よろしくお願いします。 よろしくお願いします! まずSGHGについてですが… https://spingear.jp/blog/2020/07/02/sghg/ こちらのページでもお話している通り、初心者が「とりあえず」で買うのに適したアイテムを妥協しない品質でお届けすることをコンセプトにしています。 スピンギアハイグレードの略でSGHGです。 SGHGストリングも固定のファンがいる現行のブランドと競合するために展開しているのではなく、最初のうちの選択肢がわからない人やそこまでこだわらないけどスリック6ではもう物足りないという人向けに作っています。 違いがわからない人の違いをわかるための一つの基準になればと考えています。 メタルスピンガジェットにあえて同梱したのも、最初からついてくるヒモや安価なもの、ハイパーヨーヨーの純正ストリングしか使ってない人にヨーヨーの性能の差だけではなくてストリングの差も感じてほしいというところで採用しています。 今回、Masayaさんには全色試して頂きましたがいかがだったでしょうか? 手にとってすぐ、これまでの「ショップ系」「ノンブランド系」とは一線を画す品質だなと思いました。 従来品は糸の本数が少ないせいで細かったり、撚りが弱くてストリングにコシがない製品が多かったのですが、SGHGにはそういう頼りなさが感じられなかった。一般の競技向けストリングと遜色ないクオリティ。 引張強度の高さはもちろん、飛びのよさもすぐれていて。「とりあえず」の品として申し分ないどころか、人によっては長きにわたって相棒となり得るストリングだと思います。 実は今年のはじめにベアリング、パッド、ストリングを一度”整理したい”と思っていて。サンプルを工場から取り寄せて、いろいろな素材と太さを試して社内でどれなら使用に耐えられるかのテストをしていました。 競技用ストリングが出てくる前はメキシコ産のストリング、スリック6とハイライトのポリ100がスピンギアの場合はメインストリングでした。 ここ数年、中国においてヨーヨーストリングの発注が増えたことで工場側も「撚りと素材選びの重要性」を理解してくれるようになりました。一昔前の中国産はだめという概念を払拭するブランドが一気に増えてきてると思います。 ちなみにヨーヨーストリングのコットン100%というとナチュラルカラーのイメージありますが中国産のコットン100%は漂白されているものもあってポリ100と写真の見た目では区別つきません。そんなところでも中国産は進化してます。 そういった流れの中で生まれたSGHGストリングは「太め」「長め」「ヨリ強め」に作られていますが、その仕様に決めたのは何故ですか? 「太め」「長め」「ヨリ強め」は今のストリングの売れ筋の中の最大公約数をとってます。 目立った特徴があるヒモを作るのはユーザーに近いアクセサリー専業のブランドのエリアだと思っているので、スピンギアとしては「とりあえず間違いない」というひとつの基準が提示できればと。 最初からついているヒモを外して交換した時に「あ!」と違いに気がつけるわかりやすさも大切だと思っていて。そういう気付きにも繋がる仕様だろうというねらいも込めて選択しました。 まさにSGHGのコンセプト通りという感じですね。 ベーシック路線で行くかと思いきや、イエローとホワイトに続くカラーとして「グロウ」がリリースされています。しかも太さ違いで2種類も。びっくりして思わずツイートしちゃったんですが(笑)これはどういう意図で作ったんでしょうか? ベーシックと言いつつ第2弾が尖りまくってるのもスピンギアらしさかと、、、 実は、工場に撚り数と撚りの強さの指示をしていた関係で一気にたくさんサンプルが来たことがあって。その中で使いやすさだけを中心にテストしてた結果、とある細い白いヒモがボツになりました。 最近のスピンギアでは福箱に入れるジャンク類を年末にかき集めないで通年でジャンク行きの箱を作っているのですが、その中にボツストリングもたくさん入ってました。 で、退社するときに会社の電気を消したらジャンク箱が光ってる(笑) は?と思って取り出したのがグロー素材で撚られたストリングでした。 イメージ そんないきさつが(笑) SGHGストリングの第一弾はわかりやすくイエローとホワイトで太さも選ばず1種類でいこう、と決めていました。 グローに関しては過去にも存在していましたが安定して手に入る状況ではありませんでした。またネタ感が強く使いやすさとは離れていた印象でした。ただいまの技術を持ってすれば使いやすいグローが作れるのでは?と思い、2種類のひもで試作しました。あまり他のブランドがやらないのであればそれはスピンギアの出番?と思ってしまいました。 アキバ店のスタッフも含めて試してもらったのですがどっちかに決めかねて「ならば両方出してしまえ」と今回のような発売になりました。使い分けしてもらえればと思っているのですが、グローストリングどうでしたか? グロウ系を含め一部の染色系ストリングや特殊素材を用いたストリングは手触りが固くなってしまう傾向にあるのですがSGHGグロウはかなり柔らかいですね。このレベルまでくると普通のストリングと大差ないと言っても過言ではないと思います。これにはなにか秘密があるんでしょうか? 「何か長いモノの手触りが良くなる、すべりがよくなる」というとシャンプーのCMを思い浮かべませんか? 実は最近の中国系の競技ストリングの性能が一気に進化した理由のひとつに「シリコーンオイルの塗布」があります。シリコーン系のシャンプーが髪の質感を向上させているのと同じように、ヨーヨーストリングもシリコーンオイルを塗布することによってすべりや質感が劇的に向上しています。 ”シャンプーテクノロジー”と呼ばせてください。 入荷時の検品のときはたくさんのヒモに触れるので手がツヤツヤになるほど。人体に有害なものではないので安心して欲しいのですが、ストリングを紙の上などに置いておくと成分が染み出してくるのがわかるかと思います。SGHGグロウもまたシリコンオイルを塗布して質感を向上させています。 ※シリコンオイル自体は直接飲むなど、過剰に摂取しない限りは人体には影響ないとされています。 SGHGに限らず一部の競技系ストリングは裸で持ち運ぶとかばんや衣類を汚す可能性があるので付属のチャック袋に入れて持ち運んで欲しいですね。 確かに、近年発売されたストリングの中にはぬるっとした質感ものや見た目よりもなめらかな手触りの製品があります。身近な例を挙げると「フローリングワイパーシート」のような質感。ワイパーシートにも色々な種類があるんですが、滑りを重視したワイパーシートには流動パラフィンが添加されています。 僕自身、紙の上に置いていたら染みができるストリングに出会ったことがあるので「ストリングもワイパーシートのような処置が行われているのかな?」とは思っていました。 これからの時代はストリングからのブリードを防ぐためにも、ストリング自体を湿気から守るためにも、保管や携帯の際にはチャック袋を使うのが理想ですね。 SGHGストリングはパッケージに再開封できるナチュラル系のチャック袋を使い、さらにシリカゲルを入れたりしてこだわっているのでストリングを使い切った後も袋は捨てずに愛用していただければと思います。 ※シリカゲルは100本束にのみ同封。 メーカー側からではなくMasayaさんが、ユーザーのひとりとして「SGHGストリングはこういう人におすすめ」「こういうヨーヨーに合っている、逆にこういうヨーヨーには向いてない」といった感想はありますか? 最近はイエロー・ホワイト共にメインどころのヨーヨー全てにつけています。近年のダンカンのようなギャップ広めのヨーヨーとも相性がいいですし、メタルスピンガジェットのようなサイズD機種に合わせてもしっくりきますね。向かないものを挙げるとしたら単純にギャップが狭い1Aバインド機種でしょうか。引き戻しならセッティング次第で十分活用できます。 グロウはグロウボディのヨーヨーに取り付けて遊んでいる他、太さとコシのバランス的に4Aに合うんじゃないかと思ってそちらでも運用しています。オイル添加が功を奏しているのか「今ちょっと変な噛み方したかも」と思うようなバインドをした後でもちゃんと抜けてくれる気がします(非競技者の感想です) ストリングは単一で評価できるものではなく、ヨーヨーと併せて初めて真価が見えてくるものです。色々なストリングを色々なヨーヨーで試し、自分の好みに合う組み合わせを探してみるのが大切。 SGHGストリングは仕様的にも品質的にもそういった模索の旅路のスタート地点として丁度いいプロダクトだと思います。 ヨーヨー選びも同じなのですが、なにか基準になるものがあってこそ、そこから「好み」が探れます。 SGHGと同じくスピンギアのヨーヨーシリーズも専業のヨーヨーブランドとはコンセプトが異なっていて。「MyFirstYo」という名の通り、最初のヨーヨーとして手にしてもらっても楽しめる、極力プレーンな製品開発を心がけています。 SNSでも「ストリングのおすすめはなんですか?」と質問するよりは「SGHGのストリングの飛びは気に入ってるのですが、もう少し細めで硬いのが欲しいです」という風に聞いた方が具体性が増しますよね? ユーザーのみなさんには感覚頼りになりがちなアクセサリー選びをする際やコミュニケーションを取っていく上での共通感覚としてSGHGを役立ててもらいたいと考えています。 また、スピンギアが新しい基準たりうる製品を示したことをきっかけにして、既存のアクセサリーブランドが製品の品質をさらに向上させ、業界全体の水準が向上したらいいなとも思います。 SGHGシリーズは競技用ヨーヨーのアクセサリーブランドとして必要最低限の要件を満たし、安心しておすすめできる競技用入門から上級者まで愛用していただけるブランドを目指して製品開発をしています。 迷ったらトリアエズSGHGで。 前の記事 次の記事