間もなくオービタル発売!

EYYC2連覇のTal選手のシグネチャー、オービタルがEYYCで発売され、スピンギアにも間もなく入荷します。若手選手の意向を取り入れて作られているため、クセがなく、トレンドを追いかけた戦う機種となっています。

大会の映像はこちらから

今回は開発ストーリーを掘り下げていきたいと思います。

ダンカンにバイメタルを!をスローガンに始まった開発は2機種をコンペ形式で競わせ、良い方を発売していこう!という企画でした。もともとは数年前のニューヨークトイフェアでTakeshiがExit8はもともとCサイズの図面もあるんだけどダンカンだからAサイズで出さないといけないかと思っていた、、、という歴史を変えてしまったかもしれない事件を修正したいという思いもありました。

ダンカンがバイメタルを出すにあたって一番よいプロジェクトはなんだろうといったときに出てきたのが、EXIT8をバイメタル化する、というものでした。それに対抗するコンセプトとしてインバースラウンド主体のEXIT8の逆、オーガニックシェイプが作られました。

オーガニックVSインバースラウンド

両方の機種は直径、幅、重さが近似値になるように兄弟機種として設計されました。ダンカン初のバイメタルとなるヘイメーカー、オービタルのプロトタイプの設計コンセプトはアルミニウムの本体よりも大きくせり出した厚みのあるステンレスリム。これによりアルミニウム部分を極限まで軽くし、リムに重量を寄せるというバイメタルのメリットを最大限享受できる用に設計されました。

そこに形状の違いのみでフィーリングを試し、ダンカンの初バイメタルをどの形状で出していくのが良いのかというほんとうの意味でのベンチマークとして作られています。

両方のプロトタイプを使い比べる段階で、Tal選手の目にEXIT8バイメタルが目に止まり、EYYC2016ではプロトタイプを使用し優勝をするという快挙を成し遂げています。

そこから本人の希望を取り入れ、直径を0.5mm増やし、重量もやや重くした形で製品版として発売となりました。EXIT8バイメタルはTalMorochの名前の一部、Talを含むOrbitalという名前で発売されることになりました。

ヘイメーカーは世界大会時に幅を狭くして発売。結果として両方のデザインが採用されました。

EXIT8って?

元ダンカンクルーのTakeshiKamisatoによってデザインされたヨーヨーです。トリックイノベーターとして数多くの影響をヨーヨー界に残した彼は近年スピントップの映像でもフューチャーされまたインスタグラムのアカウントはけん玉の動画などでも多くのフォローワーを集め、ヨーヨープレイヤーのアカウントとしては大手の1万人以上のフォロワーがいます。スキルトイにマルチな才能を発揮しています。

左:Exit8、右:オービタル

パッド回り、ベアリング回りの最適化以外は極力Exit8を踏襲するように設計されているのが見て取れると思います。

https://www.instagram.com/p/BOtXD3pgJEr/?taken-by=takeshi_kamisato

新年のインスタもけん玉スタート。

 

”あの”KUMAフィルムにフューチャーされるスピントップ裁き。唯一無二、オリジナルのスタイルを持っています。

また忘れてはいけないヨーヨー界にタケシが残した功績は”タケシレセス”の存在です。当時、ヨーヨーの上にパッドを張り、レスポンスとするのが当たり前だった時代に、本体に溝を掘り、パッド分オフセットすることでストリングの摩擦を減らし、滑りを良くしつつ、ヨーヨーの戻りには影響がないという構造を確立しました。これは現在のメタル機種ほぼ全てに採用されているパッドの仕組みの原型にあたり、この仕組無しには競技ヨーヨーの世界の発展が数年遅れていた可能性もある大発明です。

当時未発達だったヨーヨーの世界にヨーヨー改造(Mods)の分野の先駆者たちが多くの新しい試みにチャレンジし、ヨーヨーにイノベーションをもたらしてきました。

プレイヤーとしても、Modder(改造者)としてもカリスマだった彼がダンカンのSEラインナップとしてデザインしたのがEXIT8です。当時はサイズAでフリクションステッカーを張るのがダンカンのヨーヨーのアイデンティティのようなところもあり、本人もサイズCでEXIT8を設計するのが悲願で、図面まで完成していました。その志を引き継ぎ、モノメタルではなく、バイメタルで2016年に最新型として登場させようとしたのがこのプロジェクトの出発点でした。

ダンカンのレガシーを効果的に使い、最新のスタイルでブラッシュアップ、競技者として再先端を行くプレイヤーのシグネチャーモデルとして細かな調整を加えて発売し、EYYCという国際大会の舞台で勝つ、というこれ以上無い結果を残した機種です。2017年の新しいトレンド、流れを感じてみてください。

計画始動から1年以上経ち、ついに発売です。

 

製品版オービタルとExit8

不遇のヘイメーカー

ヘイメーカーもせっかくなのでプロトタイプ、製品版、66ヘイメーカーと並べてとってみました。Exit8→オービタルという譜系は狙われて作られているものですが、ダンカン初のバイメタル、ヘイメーカーはすこし悲しいことに、ダンカンのお膝元とも言えるクリーブランドで世界大会をやるにあたってそのタイミングで発売できる新作メタルがオリガミとBarracudaしか無かったために、急遽追加されたという事実があります。先行販売の形だったのでロゴマークもなく、ヘイメーカーという名前の由来もはっきりしないまま発売されています。オービタルが調整を必要として時間がかかったのに対し、ヘイメーカーはシグネチャーモデルではなかったため、特に仕様変更に制限もなく、幅を狭くしてブレの可能性を少なくして発売したという流れが正しいようです。

発売までの経緯とは裏腹に新感覚のふわふわした軽い感じのヘイメーカーはチームメンバーにも広く受け入れられ、また使った人を虜にする不思議な魅力があり、2016年発売されたバイメタルの中でも評価を受けていたモデルの一つとなりました。

とはいえダンカン初バイメタルという記念に残る機種。メーカー在庫も少なくなり、時期ロットがあるかどうかも未定です(きっと作ってくれると思いますが、、、)。66と合わせてチェックしてみてください!

EYYC2017年の会場から直線の最新の映像が届きました。

大会の映像はこちらから

インスタグラムにもまとめて上げています(スワイプで次の写真が見えます。)

https://www.instagram.com/p/BRN3KzZBAhi/?taken-by=taka_spingear