yoyofriendsチーム所属、Tony Sung選手シグネチャーヨーヨー。
昨年リリースされた自身のファーストシグネチャーモデル「グラヴィトン(チタンリムバイメタル)」のモノメタルバージョンです。
より手に取りやすい価格で、多くの人に使ってほしいというTony選手の思いから製作されたモノメタル版ですが、使ってみると単なる廉価版ではなく、モノメタルの良さが光るモデルになっています。
全体の形状はオリジナルのグラヴィトンをベースに、重さを少し増すことで回転力と安定感をしっかり確保しています。47mmという広い幅と安定性を活かしてしっかり技を決めていくスタイルにより適した設計に変わり、5Aはもちろん、1Aでも活躍する機種に仕上がりました。
ヨーヨーの設計についても複数個のプロトタイプを作り、慣性モーメントの計算を行い単純にリムにウエイトを寄せるのではなく、動かしやすさも計算にれた設計がされています。
【以下yoyofriends公式より抄訳】
Tony Sung選手のファーストシグネチャーモデル「グラヴィトン」は、使いやすい形状と派手なチタンリングが特徴のヨーヨーです。
その性能については、Tony選手自身のインスタグラムに投稿されている様々なトリック動画が証明済みです。グラヴィトンを使い、流れるようなテック系コンボや高難度のバンガートリック(一発技)、高速ホリゾンタルなど、文字通りどんなトリックも可能な性能を持ったヨーヨーになっています。
(Photographed by Lee Suhyun, @lee_su_hyun_1990)
グラヴィトンのリリース後、私たちはTony選手からいくつかのフィードバックを得ました。彼は、友人やファンたちから低予算版のグラビトンを求められていたのです。
昨年、アメリカ・韓国・日本を訪れ、自分のシグネチャーヨーヨーを試してもらったところ、みんなから好評だったものの、値段が高くて買うのをためらっていました。特に5Aプレイヤーにとっては、1個180ドルは高すぎでした。
そこで、Tony選手は私たちにモノメタル版のグラヴィトンを提案してくれて、このヨーヨーの製作が始まりました。
以下はTony選手本人による解説です(抄訳)
私は普段、暇さえあればFusion360(3Dモデリングソフト)を使って、思いついたアイデアをデザインしています。
グラヴィトンのバリエーションについても色々と考えていたので、工場とモノメタル版のグラヴィトンの話をするずっと前から、モノ・グラヴィトンのデザインも作成していました。
今回はそのデザインを少し修正したものが、モノメタル版のファーストプロトになっています。
いつも通り、慣性モーメントやヨーヨーがもつパワーを計算しました。
グラヴィトン(バイメタル)の3種類のプロトタイプを参考にしています。
夏休みのあいだ、多くのプレーヤーにプロトと製品版のグラヴィトンを試してもらったところ、一番最初のバージョンのプロトタイプ(写真のオレンジのもの)がとても好きだと言ってくれた人が何人かいました。
オレンジのプロトは他のバージョンよりもパワーがある設計になっており、私は今回のモノ・グラヴィトンをよりパワフルなモデルにすることに決めたのでした。
できあがったモノ版のファーストプロトは既に完璧でした。バイメタル版のグラヴィトンと全く同じ形状で私の手によく馴染んで、重さもたった0.2g重いだけ。
そして、リム方向に伸びるようにプロファイルを再設計していたことで、パワーも申し分ありませんでした。
yoyofriendsのもうひとりの5AプレーヤーのHaneul(訳注:Shin Ha Neul選手)もこのプロトを試し、過去最高の5A用モノメタルヨーヨーだと言ってくれました。
しかしながら、彼もPhilip(訳注:yoyofriendsチームマネージャー)も、そして私自身も、このヨーヨーは「グラヴィトンには見えない」「グラヴィトンのフィーリングではない」と同意しました。
オリジナル版のグラヴィトンとモノメタル版の違いについて、使う人が違いに混乱してしまうことを懸念しました。
そこで、私は2つ目のプロトタイプに取りかかりました。
全体的な見た目をオリジナルのグラビトンに近づけたことで、小さくなった慣性モーメントを補うため、全体の重さを65.2gまで増やしました。
加えて、フェイス側の複雑なデザインをいくつか減らし、プロファイルを滑らかにして、よりクールでシンプルな外観にしています。
このバージョンのモノ・グラヴィトンはとにかく素晴らしい出来になりました!!
オリジナルのグラヴィトンが持つフィーリングが引き継がれ、とても滑らかに動かせます。特に、ホリゾンタルをしたときに、まるでヨーヨーが飛んでいるかのように自分が狙った位置に操作できるのが良いです。
このヨーヨーには単に「モノ・グラヴィトン」ではなく、もっとキャッチーな名前を付けたいと思いました。
最初に考えた名前は、カウンターウェイトスタイルに適したグラヴィトン、そしてグラヴィトンのもう一つの形ということで「Counter Graviton」にする案がありました。
ですが、このヨーヨーは5Aのためだけではなく、幅広いスタイルにフィットする機種なので、Counterという名前はやめることにしました。
トロントヨーヨーミーティングでは、私がグラヴィトンと使っているとき、友達に冗談でいつも「Gravi Tony」と呼ばれていました。
単なる冗談でしたが、そのダジャレからGravi Tony→Graviton:Yを思いつきました。
数学の方程式でX・Y・Zの変数の2番目のYを、グラヴィトンシリーズの2番目のモデルに名付けました。
トロントミーティングの友達にモノメタル版のシグネチャーモデルに「Graviton:Y」という名前を付けたいと話したら、彼らも素晴らしいアイデアだと言ってくれました。
こうしてGraviton:Yは生まれました!
より手頃な価格でありながらスムーズな操作性と加速性をもつこのヨーヨーを、ぜひ多くの人に手に取ってもらい、最高の思い出を作ってほしいと思っています。