今年のスピントップ(こま)の世界大会はオンライン大会になりました

ITSA(International SpinTop Association)日本理事のTAKAです。コロナウィルスでスキルトイの世界も影響を受け、軒並みイベントや大会が中止になる中、けん玉ワールドカップがオンラインで行われるのに続き、スピントップの世界大会もオンラインで行われることになりました。

いままではスピントップの競技性の違いとヨーヨー大会と併催という特殊な事情から、偏ったプレイヤーで、アメリカとヨーロッパを中心にした競技会になっていたのですが、今回、オンラインということでまだ見ぬ世界の猛者たちがきっかけを得てかつてない規模で、集結する可能性が出てきました。

全世界的に見た場合、こま人口は全世界に数千万人いて、ただフリースタイル競技として始めたのがアメリカのヨーヨーコミュニティーだったため、全世界がつながるに至っていませんでした。フロリダ時代の世界大会で、ディアボロの”世界大会”が行われていたのと似た状況です。

また国によって”スピントップ、こま”というくくりは同じですが遊ばれ方が全く異なっているのも特徴です。

スピントップ宗主国のスペインでは電動のスピントップが開発されているなど現代に至るまで続く遊びとなっています。


大航海時代に世界中に駆け巡ったスペインが南米にもたらしたものの一つにトロンポ(Trompo、スピントップ)があり、スピントップはスペインの影響を強く受けた地域には受け継がれています。

メキシコではコメタというブランドが常時50人前後のデモンストレーターを抱え、南米を中心にプロモーションを行っていて、数十万からときに数百万人の子どもたちがスピントップに興じています。いまでも人気の遊びです。

 


コロンビアはいまでも手作りの木製のスピントップを子供の頃から遊び、大人にならないと回させてくれないサイズの危険なこまを回すことが”かっこいい”とされている地域もあり、毎年のお祭りで大人がスピントップの演技を披露しています。扱いを誤ると大げさではなく死人が出る可能性のあるこまを振り回しています。2006年に行ったとき、ここではスピントップは遊びではなく、伝統文化の一端で、儀式に近いものでもあると感じました。


画一化が進んでいるヨーヨーに比べるとスピントップの世界は国ごとに使うこまの種類が異なりまた伝統的なスタイルというのがあるため、世界大会は異種格闘技戦となり、国ごとの違いを理解しながら見るととてもおもしろいです。

大会に出てくるかは不明ですが、台湾のスピントップ文化も的入れに特化していてYoutube動画としては有名です。有名なKumaFilmの動画を紹介しておきます。まだ見たことない人がいれば必見です。

中国では空竹と呼ばれるディアボロとこまの中間のものが伝統芸能として残っています


インドネシアも島の数だけ違うこまがあると言われていて、おいきれないくらいの種類のこまを回して遊んでいます。


そしてインド。かつてヨーヨーの世界大会にエントリーだけあり、話題になったこともありましたが人口に比してプレイヤーがほぼ確認されていないスキルトイ暗黒地帯。昔に比べると廃れてきていますが、いまだにこまは遊ばれている状況があるようです。


きりがないので紹介しませんが日本では世界各国のこまを合わせた数よりも多いのではないかというくらい多種多様なこまが遊ばれていまでも残っています。詳しくはこちらのブログでも紹介中

競技としては土俵が違いすぎたり、またヨーヨーほどはレベルが洗練されていないので未熟な部分もありますが、色んな国の文化を比較できる、世界大会らしさ、という意味ではとても見応えがあります。

10月25日までを動画のエントリー締切にしています。一般にも公開されて閲覧できるようになる予定です。このブログでも解説を交えて紹介できればと思います。

コロナ禍でいろいろなことがいままでと変わっていく一方、オンラインの大会という形でいままで出会えなかった人たちとつながることができて、遊びのコミュニティーにとっては試練の年ではありますが、飛躍の年にもなっていくと思います。

ISTAのメンバーシップか、日本こままわし協会の会員になることが条件ですが、大会には誰でも参加できます。ヨーヨーに比べると日本は”競技人口”はとても少なくまだ上を狙うチャンスがある部門です。興味がある人はあと約3ヶ月間特訓をして参加をしてみるのも面白いと思います。

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