At Design Lab mono開発秘話

At Design Labのmonoは10月1日(土)0時より販売開始!今回も発売にあわせてオーナー様より開発秘話をご紹介いただきました。

 

日本発のデザイナーズヨーヨーブランド At Design Labの紹介とMoNoシリーズの開発はこちらをご覧ください。

スピンギアブログ At Design Labという新しいブランドの紹介です


mono  50mmの開発にあたり

我々はアンダーサイズのヨーヨーが大好きです。最初の出会いはヨーヨージャムのミニモ2、そしてヨーヨーファクトリーの888を集め、オーナーは今でもCLYWのWooly Marmotを愛用しています。

手に収まったときのサイズがよく、ストレスなく動く手軽さ。もしかすると、アンダーサイズと聞くだけでドーパミンが出るぐらい好きなのかもしれません。そんな我々にとって、アンダーサイズのmono 50mmの開発はMoNoシリーズで一番の山場でした。

これは、単なるアンダーサイズに対する思い入れだけではなく、設計難易度の高さもありました。

アンダーサイズの設計の難しさ

一般的にアンダーサイズはどのように設計しても、回転力を十分に確保することが難しいサイズです。それは回転力の主要なファクターである慣性モーメントが、直径と二乗関係にあるためです。つまり重量を増やしたとしても、直径が小さいために56mmのフルサイズと比較すると慣性モーメントは大きくなりません。

その結果、回転が伸びにくかったり、重量を上げたことで詰まったような感覚になりがちです。よく見るのは、64〜66g程度まで重量を持たせ、エッジを下げることで回転力の低さをカバーするような設計です。ただし、ここまで重量を上げてしまうと、どうしても詰まったような感覚が出てしまい、せっかくの取り回しの良さが損なわれてしまいます。

そんな中、アンダーサイズは60-62gぐらいでちょうどいいのでは?と思うようになったきっかけは、ヨーヨーファクトリーの888です。ハブスタックを外すとちょうど60gぐらいになり、詰まった感じのない取り回しの良さを楽しむことができました。一方でどうしても回転の伸びが弱かったり、傾きやすかったりと、アンダーサイズの限界を感じていました。その数年後、A-rtからリリースされたJunior/Sparrowというヨーヨーが60g台でリリースされました。このヨーヨーを研究していくと、エッジの形状や重量配分をうまく設計することで、余計に重量を盛ることなく、カジュアルに使うヨーヨーとしては十分に回ることがわかりました。CLYWのウーリーマーモットは重量こそ64-65g程度ありますが、ハイウォールにすることで取り回しやすさを維持しており、特にオーナーが愛してやまないアンダーサイズのヨーヨーです。

mono 50mmを開発するにあたり、このウーリーマーモットをベースに、Juniorのようにエッジやリムを設計すれば、60g台前半のヨーヨーで、バランスのよいアンダーサイズヨーヨーが作れるのではないかと思いました。

 

この考えはMoNoシリーズの基本デザインを設計するときにすでに考慮に入れていました。基本デザインを50mmに展開した時にも耐えうるよう、回転方向だけでなく傾き方向にも安定するようなリム形状、そしてストリングとの接点を最小化したハイウォール構造にすることで、動かしやすいのに傾きやすい構造です。ここにSmooth Ultimatte Coatingを施すことで、独特の柔らかいフィーリングが生まれます。

mono 50mm 設計コンセプト

mono 50mmは、MoNoシリーズにおける一番小さなXSサイズにあたるヨーヨーです。コンセプトは「Chiill out」。仕事から疲れて帰ってきて、深夜でも心地よく振れるヨーヨーを目指して開発をしました。

そのために、アンダーサイズ特有の取り回しの良さを際出せることを最優先に、ストレスとなる傾きやすさ、詰まった感じ、回転が思ったより伸びないといったデメリットをいかに消せるかに挑戦しました。

 

mono 50mm 開発プロセス

今回の設計にあたり、3つのヨーヨーをサンプリングしました。

 

サイドシェイプの設計:CLYW Wooly Marmot, YoYoJam Hitman Professional

バンプ形状:A-rt Junior

重量バランス:A-rt Junior、YoYoJam Hitman Professional

まずはサンプリングしたものを参考にしながら、サイドシェイプと肝になるバンプを設計していきました。この時点では王道の50mm/40mmです。

このようにバンプの高さや形を調整することで、ハイウォールとしての動かしやすさを維持したまま、ストリングヒット時の抵抗を最小化することで傾きにくくなるように図面上で調整をしました。

 

ここまではMoNo 54mmの経験もありスムーズに進みましたが、実はなかなか決められていないことがありました。それは重量です。2つのオプションがありました。

64-65g
十分に重さがあり、しっかりとした回転力が約束される。しかし、アンダー特有の詰まった感じが残る可能性がある。

61-62g
振り心地の良さはよいが、回転の伸びや傾きにくさが物足りない可能性がある。

 

もちろんJuniorのような重量配分にすることで61-62g台でも問題ないとは思いつつも、ハイウォールデザインのため64-65gまで上げても、ウーリーマーモットのように動かしやすいのでは?と堂々巡りでした。もし1つだけヨーヨーを作るのであれば、①という選択をしたかもしれません。

しかし、これはMoNoシリーズのXSサイズ。違いを楽しむというMoNoシリーズのコンセプトやMono 52mmの存在も考慮すると、②の方向性で出来る限りのことの方が意味あると判断しました。結果的にこの判断は正解でした。

61-62gになるように重量配分し、最終的には61.5g狙いで最初の図面が完成しました。

 

1st Prototype

出来上がってきたのがこちらのプロトタイプです

  • Diameter 50.0mm
  • Width 40mm
  • Weight 61.3g
  • Coating Smooth Ultimatte Coating

61g台という軽さから不安いっぱいのファーストスローでした。しかし、そんな不安が一瞬でなくなるほどの気持ちよさ。小ぶりなサイズ、重量と独特のコーティングからくる快適な動かしやすさ。一方で特徴的な重量配分から、体幹の強さは必要最低限を持ち合わせており、61g台で進めることが確定しました。このまま製品化してもいいぐらいの完成度で、気がついたら毎日使っていました。

仕事から帰ってきて疲れている日、昔はヨーヨーがうまく動かなくて調子が悪いと思うことがよくありましたが、monoならそれを感じることがなく、気持ちよく動かせました。一方、使い続けたことで、もう少しだけ後半の回転の伸びがよくなればより使いやすくなるかも、と思うようになりました。A-rt SparrowをJuniorに戻すような小さな修正。ここから、今の使いやすさを維持したまま、わずかに回転力を上げる方向性で最終調整を始めました。ちなみにこちらのプロトタイプは、ダイレクトストアのプレゼントキャンペーンで1個のみが市場へ流通しています。

 

回転力を上げるにはいくつかのアプローチがあります。この取り回しの良さやバランスを維持した上で、という前提を考えた際の最適解は、直径0.1mm単位でわずかに大きくすることでした。回転力に対して寄与率が大きいのは直径、わずかな変更で済ませるには直径を0.1mm単位で上げることが効果的でした。最終的に+0.3mmだけ直径を上げることで回転力を数%向上させ、最終的なバランス調整を経て、いよいよ生産へと踏み込みました。我々のデザインラボとしても、この微修正がどれだけ振り心地に影響を及ぼすか、とても興味深かったのを覚えています。

Production model

  • Diameter 50.3mm
  • Width 40mm
  • Weight 61.6g
  • Coating Smooth Ultimatte Coating

わずかな変更でしたが、振り心地には大きな差が生まれました。気持ちよさを残しながら、スリープの伸びが改善され、満足のいく出来となりました。アンダーサイズらしい動かしやすさ、こだわりの表面処理による独特の柔らかいフィーリング。61g台かつハイウォール形状のアンダーサイズとは思えない傾きにくさとスリープの伸び。気持ちのよいヨーヨーだったプロトタイプが、気持ちよく振り続けられるヨーヨーに進化しました。

アンダーサイズの良さをしっかりと出しながら、アンダーサイズが敬遠される要素を、可能な限り拭うことができました。デフォルトはM4-12mmのステンレスアクセルで、CLYW Wooly Marmotのような安定感を持っています。M4-8mmにすることでA-rt Juniorのような軽快さが生まれ、M4-10mmにすることでその中間のバランスになります。

パーツの組み合わせによるフィーリングの変化もお楽しみください。また、Smooth Ultimatte Coatingによる高級感のある見た目で、使っている時だけでなく、飾っている時も満足感のあるヨーヨーにもなりました。

 

最後に

少し長くなってしまいましたが、monoの開発秘話を記させていただきました。アンダーサイズが好きな方はもちろん、アンダーサイズが苦手な方や初めてという方にもオススメできるプロダクトになりました。

ダイレクトストアでご購入された方々からも「絶妙なバランス」「引用元の名作を思わせるフィーリング」などたくさんのありがたいコメントを頂いています。フルサイズが主流という流れは今後も続くと思いますが、monoを通じてアンダーサイズを好きな方が一人でも増えてくれれば我々も嬉しい限りです。

SGスタッフのコメント

MoNoに引き続き、使いやすさと見た目を高いレベルで両立させている注目作です。実重量は61g台ですが、数値以上の安定感と回転力を感じます。それでいて、動かしやすさは軽量なアンダーサイズ。At Design Labの設計レベルの高さを感じます。

特徴的な表面処理は、最初は強すぎるかな?という感覚があったものの、前作のMoNoは使い込むことで馴染んできたので、エイジングとして楽しんでいただければと思います。

前回のMoNoはリリース後わずか1分で完売。今回はオーナー様と交渉して十分な在庫をご用意致しましたが、気になっている方はぜひ発売日のチェックをお忘れなく!

 

前作、MoNo 54mmの開発秘話もぜひご覧ください。

スピンギアブログ いよいよ今夜0時発売!MoNo開発秘話

 

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