PoryKon開発ストーリー

入荷を決めたときのミーティングで、以前からPoryKonに関しての情報発信の熱量に興味があり、開発の経緯についても聞いてみたい!ということでストーリーを書いてもらいました。極力オリジナルの文章に沿った意訳をしています。物作りのこだわりと流れを知ってもらい、PoryKonを使ってもらえればと思います。新しいデザインは一度見てしまえばすぐにマネはできるのですが最初に何かを生み出そうというのはとても根気がいる、試行錯誤を要する作業です。


PoryKon Development Story

ストーリー:PoryKonデザインチーム(Denny Ko Kwan Ho & Lowhand Ng Wang Kit)+Taka意訳

 1:名前の由来について

PoryKonの名前はポケモンのNo137、ポリゴンから来ています。両方ともに多面体であり、発音を似せています。(TAKA注:試作のダイスに顔が書いてあったのが印象的だったのですが、ポケモンのポリゴンを見てもらえれば納得の理由です。進化するダイス!)

2:PoryKon開発日

2018年6月 ことの始まり。

DennyがAP2018のフリースタイルを練習していた時、通常のカウンターウエイトは紐が絡まったときに簡単に解けず、時に結び目になることに困っていました。Lowhand(NgWanKit)がそれを聞いた時、彼はDennyに新しいカウンターウエイトを作り、問題を解決することを提案しました。

いくつかの議論を経て、2つの大きな方向性を決めました。

1:ダイヤモンド(ひし型)形状にすることで、ストリングとカウンターウエイトが接触する部分を減らしていく

2:ストリングのヨリをすぐに解けるようにベアリングを標準搭載にする

私達は3Dプリンターを使い、試作を重ねました。その中で最適と思われる重さと形状にたどり着きます。

 

2018年7月 試作完成と新たな問題

最初のプロトタイプが遂に仕上がり、テストを開始します。ひし形にすることで紐を解くという問題は解決しましたが、ひし形の上と下でバランスが取れないという挙動がおかしくなる問題に直面しました。トータル重量が理想的な10.5g付近でも、ビースティング系の技をしたときに、下の部分がかるすぎる軽過ぎるために、ウエイトの挙動がおかしなことになりました。形状、総重量だけではなく、ヨーヨーのように”重量配分”を新しくコンセプトに取りかかり、再設計をすることになりました。

2018年8月7日 遂に完成!?

多くの試作を経て、遂に求めていた形状と重量バランスのプロトタイプが完成します。さらにDennyは世界大会のフリースタイルで最終版のプロトタイプを使用しました。世界大会の期間中、多くの5Aプレイヤーにテストをしてもらい、多くのフィードバックを得ました。それを踏まえ、最終的なプロトタイプよりもすこし小さく、軽量な今の製品版の形が仕上がりました。

3Dプリンターで試作し、製品化も検討していましたが、一般的な3Dプリンターの素材では密度が足りず、作りたい大きさに対しての重さが軽くなってしまうため、POM素材に変更しました。より多くの5Aプレイヤーに使ってもらえるように、手に馴染むサイズで一般的な10.6gの重量と、ベアリングを変えることで重くできる仕様を選択しました。


2018年9月 最終テスト

最終的な製品版のプリプロダクションが仕上がった時、2018年の5A世界チャンピオン、石川空選手にもテストをしてもらいました。そしてPoryKon開発チーム、石川選手ともに理想的な製品に仕上がったと意見が一致しました。世界チャンピオンのお墨付きを得たカウンターウエイトとなりました。(石川選手のインスタグラムにもちょくちょく登場しています。)

2018年10月 遂に販売開始

遂に、PoryKonは10月に販売されました。開発を始めてから発売に至るまで、多くの問題に直面しながらも、時間をかけて幸運にもそれらの問題を解決してこれました。これは我々の使命であり、情熱でもあります。私達はPoryKonデザインチームです。ぜひPoryKonを楽しんでもらえればと思います!

 


ヨーヨーの開発に置き換えると、固定軸からベアリング化、インペリアル形状からバタフライにしただけではなく、摩擦を減らすためにローエッジというデザインを取り入れ、さらにそこで重量配分まで意識をして、とヨーヨー開発の歴史を数ヶ月の間にダイスに落とし込んで進化させた形になっています。発売をしたことでミッションとしては一段落しましたが多くのプレイヤーに渡ることでさらなるフィードバックをして、さらにPoryKonが進化してくのだと思います。