こまを投げているだけで楽しい、そんなこままわしの原点に帰れる紐を目指しました。
大会の従来の技をしていくのであればここまでの長さはいらないので今まで通りカスタムストリングや付属の紐を使用することをお勧めします。
約2.4m、27−28巻きできる性能を限界まで引き出すテーパーストリングとなっています。大きいこまが苦手、という人にはぜひ使って欲しいストリングです。
Mozuストリング(2段階ステップ)
Tsuru ストリング(テーパーストリング)
均一な太さの普通のストリング(ひも)ではなく、先端から徐々に太さが変わっていく形のストリングとなっています。
Mozuストリングの軸周りの回転力を得るための細い軸先巻き付け用部分に加え、外側に行くに従って太くなる段があることで、ひものほどけがスムースになります。
先端が約2mm、エンドボタン付近は約5mmという差になっています。
先端がなぜ細いかはMozuストリングの項目を参照いただくとして、外周に行くに従って太くなるのは昔のこまひもの知恵でした。
直径が大きいこまは投げ出しが遅く、回転がつくのに時間がかかります。軸先に行くに従って回転がついて加速していきますが、紐の長さが均一だと、解けるスピードに差が出てしまいます。
大きなこまを思いっきり投げるとすっぽ抜けることが多いのはこまが飛んでいくスピードと、ひもの解けていくスピードがあっていない(ひもがついて行っていない)ことが原因となっていることが多いです。
根元が太いことで1周に巻きつく距離が短くなり、解けるスピードが早くなります。また加速して行った先端で細くなるので解けるのに時間がかかります。こまの回転の加速に合わせた太さにすることでしっかり強く投げて紐を使い切ることでつるの回転が非常に強くなり、気持ち良い投げ心地となります。
Mozuストリングで専用紐の良さを理解していただけたならばこのTsuruストリングも楽しんでいただくことができるかと思います。
注意
・ひもの長さが非常に長いため、室内の練習会などで使う場合は注意をしてください。また屋外での使用もなげる向きをきちんと考えて危なくない方向に投げて使用することを意識してください。
・本体部分の紐を使うことは比較的容易にできますが、ひもが長いため、軸先までしっかり回転をつけるようにするにはしっかりとためてから引き抜く動作が必要です。
・ビッグウィングにも使えます。細い部分をしっかりを軸周りに巻き付けてから本体に行くようにしてください。
約40mの原糸を長さを変えて追加してよっていく作業をすることでこの紐が作れています。制作に時間がかかり、量産に向いておらず、高額ですが皆様にお届けできればと思い発売に踏み切りました。すべてのMozuストリング、TsuruストリングはTakaが制作し、それぞれのこまを使って投げ心地を全数検品して製品化しています。
輪の部分の黄色い紐は使っているうちに切れたり解けたりするので各自で補修しながら使ってください。紐そのものはカスタムストリングでも使用されている素材で丈夫です。
日本古来の大きなこまを回すときの知恵がテーパーストリングでした。
昔は麻紐を手で撚っていたため、付け足しながら段々に太くするということが可能でした。
九州けんかこま、ずぐりごまや大山こまなどはこのタイプのひもが標準で付属していました。大山こまはこま職人さんが後継者不足で廃業するところが多く存続の危機と言われていますが、そのまえにこのタイプのひもをつくる業者、職人さんがいなくなり、幻の紐、となってしまいました。
大山こまの紐。軸が貫通していないので、紐の巻き方が通常とは異なります。先端に結び目がなく、軸周りに巻き込む形で巻き付けて投げます。直径が15cmを超える大こまもありますが、ただの飾りではなくこの太さの違う紐を使うことで投げ出しからすぐに回転が始まり最後まで紐が解けるので、きちんと回すことができます。
手作業でよっていくため、制作に時間がかかる割におもちゃに付属するものなので高くできず、遊ぶこまとしての需要が減り、お土産品となってからは、使用量も少なく、ついに手に入らなくなってしまいました。
ずぐりこまのひも
曲独楽も太さの変わるひもを使用します。写真のものは、麻紐ではなく耐久性のある綿紐ですが、同じく制作に時間がかかることと、プロの道具ということもあり紐だけで1万円以上する場合もある貴重品となっています。
曲独楽のひも
昔の人たちも大きなこまを綺麗になげるためには太さを変えることが大切だということを知っていました。
競技用のこまの大型化に伴い、その知恵が役に立つ時代がやってきました。