ヨーヨーフォーミュラの真骨頂とも言えるチープトイヨーヨーの最高傑作が登場です。
思いつく限りのプラスティックヨーヨーに求める夢を詰め込んだヨーヨーです。中国のカオス系の多くのヨーヨーにこの機能が搭載されていましたが殆どが詰め込み過ぎで破綻していました。もちろんアメリカのブランドのように全てにおいてコストを掛けていけば最高のものが出来上がりますが値段も最高になります。ヨーヨーフォーミュラはヨーヨーとしての機能をバランスを保ちつつ成立させています。手を抜いていいところと抜いちゃいけないところの塩梅がわかっていないと出来ない職人芸です。
1)極薄ポリカーボーネートボディ
プラヨーに必要とされる外周に厚みのある肉厚なボディは射出成形のプラスティックでは苦手な分野です。厚みがあるとヒケと呼ばれる冷えた時に収縮して形が歪んだりまた使用するプラスティックが多く、1つあたりの生産時間で見ると薄いものと比べると時間もかかり、生産効率が落ちます。一般的なプラスティック製品の設計はできるだけ薄く、金型から抜きやすい形で作ったほうがコストも安くまた歪も起きにくいと言えます。D6はとても理にかなったペラペラのボディ形状となっています。
2)ハブスタック
ヨーヨーについていて嬉しい機能だけどあまり使わないハブスタックですが、引き戻しヨーヨーにおいてはその真価を発揮します。メジャーのように引いては戻る感覚を楽しんでみてください。
また、部品がシンプルなので、汎用M4ナットのヨーヨーをハブスタック化するキットにもなり得るので部品取りとしてもおすすめです。ちょっとした工夫でスピンガジェットやフリーハンドがハブスタック化出来ます(ライトモッズレベル)
3)金属ウエイト
もちろん削り出しのウエイトなんて高価なものは使用していません。ただ多くのチープヨーヨーにありがちな鋳造ウエイトでもありません。鋳造ウエイトは形が細かくできるなどのメリットがありますが回転体に搭載すると密度が一定ではないため、ブレの原因を作りがちでした。D6ではヨーヨージャムのレガシーでも使われていたプレスで撃ち抜いたと思われる鉄製のウエイトが付いています。もしかすると汎用のワッシャーを流用しているだけかもしれません。それの見た目を良くするために表からメタリック調のステッカーが張ってあります。ただ裏面も丸見えなのでチープ感が漂います。
4)スペーサーレス
初心者にありがちなのがベアリングヨーヨーのスペーサーをなくしてしまったり、裏につけてトラブルに成ること。D6はコスト削減の結果、ハブスタックなど必要な部品は惜しみなく使いますが、トイヨーヨーにはスペーサーはいらないと見抜いていてボディで直接ベアリングを支えています。もちろん長時間使ったり、激しい落下をしていくとヒビが出てきますがそれでも使えればよいのです。
5)薄型Cサイズ搭載
スピンギアで凹型ベアリングにアップグレードしたところ、ブレ等もなく、スムースに使えました。金属ウエイトがブレを抑え込んでいるイメージです。すべての個体においてスムースであるとは言い切れませんが調整次第できちんと使っていくことができると言えそうです。
価格からすると期待以上の性能がありますが海外ブランドのヨーヨーと比べると工夫の余地が多いので、使いやすいヨーヨーを求めるのではなくチャイナカオスに興味あるけどヨーヨーとしては使えたい、あるいはModsの素材としても面白そうというような用途におすすめします。
(注)トイクオリティーとは?
一般的にメタル機種はハイエンドモデルとされていて、精度や品質管理に注意が払われています。トイクオリティーとはメタル機種からヨーヨーを始めることが当たり前の中国の市場において、メタル機種がほしいというニーズを満たすために作られている”おもちゃ基準”の機種のことを言います。おもちゃ基準とは多少のブレや軸回り、パッド周り、ベアリングの品質については目をつぶり、その分、手軽な価格で回転力を楽しむことができます。