重量 | 58.5 | g |
直径 | 53.0 | mm |
全幅 | 39.3 | mm |
ベアリング | C- | size(Slim C) |
パッド | Silm | size(厚め) |
DUNCANの初心者向けフルメタルヨーヨーがリニューアル。
フリクションステッカーとAサイズベアリングという旧世代のダンカンのレスポンスシステムが採用されていましたが、スリムCサイズに厚めパッドという引き戻しメタルの最近のトレンドに合った構造になりました。
ベアリングがドライ状態なので粘土の高いルーピングオイルを一滴さすとしっかり戻り手軽に遊べます。
また全体的な設計を見直し、無駄のないシンプルな設計へと変更されており、より扱いやすくなっています。
ベアリングを普通サイズのCサイズ凹型へ、パッドを通常のスリムサイズに交換することでバインドで扱うヨーヨーに早変わり。バインド入門機種としても遊ぶことができます。プラステイック製のヨーヨーでロングスリーパーなど基礎の動きができるようになったら2つ目の機種としてメタルドリフターを選んでみてはいかがでしょうか?
引き戻しで色々技をマスターしながら、バインド仕様にアップグレードして競技用ヨーヨーの入り口に立つ、という使い方がお勧めです。詳しいメンテナンスはブログにて
きちんとセッティングを行うことでバインド仕様、引き戻し仕様どちらでも使うことができ、メタルヨーヨーとしては珍しいマルチな運用が可能なモデルです。
メタルカラーにアップグレードされたカウンターウェイトも付属しています。
もともとはプラスティック製のドリフターというヨーヨーの開発が先行していました。当時あったフリーハンドZEROがフルサイズとするならばそれよりも一回り小さい、細かい取り回しのきく、なおかつ、一回り小さいフリーハンドキャップのつくデザインでした。マーケテイング的な観点からのコンセプトは素晴らしかったのですがボルト・ナットの構造で、当時の工場の技術では肉厚すぎるボデイはうまく整形できず、重量配分も全体に厚ぼったく極限まで幅広く作られていたため、バランスをとることができませんでした。今からすると信じがたいことですが、すでに金型まで作られていてサンプルを作っていたこのドリフターは深刻なブレが解決しないために、お蔵入りに。
それと並行して、ドリフターの形状、直径は当時のマーケットに沿っていたものだったので、金属化が決定されました。ここでヨーヨー開発史上、謎の珍事が発生します。いままでメタルのヨーヨーを作ったことがなかった工場だったこともあり、あろうことかプラステイックの形状をそのまま金属化。初代のメタルドリフターには金属機種なのに真鍮製のスペーサーがつき、またボルトとナットで締める、しかもメタルキャップを装着してボルトとナットを隠すという競技用ヨーヨー以上の手間がかかった機種が出来上がりました。今となっては事の経緯を確かめることができませんがメタルゼロのあとにリリースされたはずなのに、なぜそのような複雑な構造になったのか不明です。
また競技シーンで使われることもなかったのであまり知られていませんが、アメリカのトイザらスやアマゾンなどの一般向けマス商品としてはいまだにメタルドリフターはベストセラーとして君臨しています。
引き戻しメタルのベストセラーとして定番化してしまい、高コストでありながら製品仕様を大きく変更することができずに時間だけが過ぎていきました。外観を変えない範囲での変更としてスペーサーが一体化されましたがなぜその時に本体にネジを切る方式にしなかったのかは謎です。
ナイロンナットとボルトなので初心者がやりがちなネジを潰してしまうということがなく、万が一問題があってもパーツ交換で済むことはメリットとして上げられます。しかしアルミ機種の削りだしに六角ナット用の場所を作り、小さなメタルキャップをねじ切ってつけることは効率的とは言い難い構造です。ちなみにヨーヨーの着色は競技用機種で広く行われているアナダイズ(陽極酸化処理)ではなくて、玩具一般に用いられる”塗装”による着色です。このことからもヨーヨーの常識ではなく、玩具工場がデザイン、設計をしたヨーヨーという推測が成り立ちます。
2015年、メタルドリフターの後継機種として今回の新メタルドリフターと同様のコンセプトでメタルレーサーを発売しますが、バイヤーたちによる強力なメタルドリフター信仰により、メタルレーサーは後継機種として乗り換え需要を促すことができませんでした。
その経験を踏まえ、2016年、メタルドリフターの見た目を維持しつつ、スリムベアリングと厚めのパッドによる引き戻し、ボルト・ナットを廃し、シンプルな構造、陽極酸化処理によるメタリック感あふれる着色をコンセプトに開発が始まり、2017年ついに、アップデートされました。
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