ケンダマクロスレビュー:本体編

7月19日(土)からいよいよケンダマクロスが発売となります。

バンダイ ケンダマクロス(7月19日発売)


バンダイ ケンダマクロス クロスホルダーセット(7月19日発売)


バンダイ ケンダマクロス ストリングセット

image

image
6月28,29日に行われた次世代ワールドホビーフェアで先行販売されたケンダマクロス、通称KDXを入手してきたので早速レビューしていきたいと思います。とっても長いですが下の方にはガチけん玉プレイヤー向けのレビューもありますのでぜひご覧ください。

KDXって?(公式サイト)

見てもらったとおり、従来のけん玉は木で出来ていたのに対して、こちらはプラスティックでカスタマイズ出来るというボーイズホビーの王道になっています。

ただ過去の例からいくとプラスティック製のけん玉やカスタマイズ性を強調したスキルトイというのは失敗している傾向にあったので慎重にならざるを得ません。

発売を前にきっちりレビューしてどんなことができて、どんなことができないのか、どんな人達にオススメしたいけん玉なのかを掘り下げていこうと思います!

先行販売されたカラーは3色
image

箱がバンダイっぽい。なんだかワクワクする紙箱+ブリスターです。

imageimage

幻獣をモチーフにした玉でトラ、ドラゴン、ウルフとなってイメージカラーもそれに合わせています。

スペック 

玉の重さ 69.5g(実測)
けんの重さ 55g

となっていて、玉は標準的な重さのけん玉、そしてけんは少し軽めです。カップのサイズは従来のけん玉協会のけん玉と同じサイズです。

形状はほぼ従来のけん玉を踏襲しているように思えます。

とここで軽めですと書くといままでのけん玉だとそれだけで使いにくい認定をされてしまうところですが、KDXには

クロス!があります。

image

軽かったら重くすれば良いんです!スタビライズカップと呼ばれるサイズの大きいカップがこのシリーズにはついていて、サイズアップと重量アップを図れます。

image

スタビライズカップ装着後 70g

ちょうどよい重さになりました。そしてこのスタビライズカップ、ノーマルのビックカップが41mmに対し、スタビライズカップビックは50mmと約1cmも大きく、他のカップもそれに比例して大きくなっています。

いままでけん玉の最初の壁が皿に乗せるところ、という壁だったのが最初から簡単にもしかめが出来てしまいます。

スキルトイ系のとても大切な導入は最初に簡単にできる!というところでこのKDXはクロスというカスタマイズ要素を通じてやりやすさが格段に向上してさらに組み合わせを楽しむ要素も兼ねているのでとてもいい方向です。

image

左 スタビライズカップ装着後     左 ノーマルサイズ

クロス遊び!

へんし~ん!
image

image

色の組み合わせを楽しむ!自分オリジナルのカラーを作り出そう!

image
渋目のオールブラック

色ばかりに注目していてもしょうがないので意味のある?クロスを。これから様々なパーツが登場することでセッティングを楽しむことが出来ると思います。

image
全部大きくしてみた!スタビライスカップビックのみで構成された究極仕様?大きくてどのカップにも簡単に乗るけどエアロプレインなどけんを振る系がちょっと苦手.

でも楽しい!幼稚園児でもできるけん玉遊びがここにあります。まずは出来る!楽しい!というのが大切。楽しさが分かれば練習をすることも苦にはなりません。

image

全部をミドルカップ(中皿)で構成。ハードモード。もしかめの難易度が急上昇!一番人気なさそうなカップなので友達とトレードして色を揃えることも出来そう。

image

このサイズ感の違い!

image

究極?プロ仕様。Noカップ。クロス用のくぼみで乗ることは乗るけど、、、エアロプレインも軽すぎて感覚が全然違う!でも楽しい!

さて、ここからが本題?実際けん玉としてどうなの?というところですが、基本設計もきっちりしています。

というのもストリートけん玉の立役者KENDAMANことNOBさんがばっちり監修をしているけん玉なので基本性能を抑えています。image

ポイント1 玉の重さが絶妙。

過去のプラスティックけん玉にありがちな全部プラスティックで重すぎたり、逆に中空過ぎて軽すぎて使いものにならないという感覚がなく、実重量だけではなく、大切な”重量バランス”がきっちりとれています。

これを可能にしているのがメタルバーによるバラストです。
image

X(クロス)のそれぞれ先端に金属製の棒が配置されています。

image

この棒が絶妙なバランスを作り出し、ふりけんなど玉を操作する動きをした時に木製のけん玉に近い挙動をします。完全に同じとはいえませんが、修正できる範囲でこれに慣れたらこれはこれでいけそう、といった感じのフィーリングです。スケルトンでたまのあなが見える分、木製のけん玉にはない視認性の高さがあります。

image

さらにドレスアップステッカーで穴位置をわかりやすくします。これ成功率がすごく上がるので従来のけん玉でも欲しい!と思うステッカーです。実用性とドレスアップを兼ねているのってヨーヨーにはないのでちょっと悔しいです。

ポイントその2 ストリング位置がオフセットされている!

image

ストリング(紐)の位置が中心ではなく、やや上の左寄りになっています。木製のけん玉とは違う機構ですがこの位置自体はけん玉の特許にもなり得るとても大切な位置で、玉を持った状態でけんを振った時に自然にけんが次の技に適した方向に振れて飛行機などがやりやすい状態を作り出します。プラスティックの構造上、センターに支柱が入っているので穴自体をセンターに入れることはしないほうが自然なのですがどうやらこの位置をずらす行為は意図的に行われているようです。

その他カップに穴が開いていてぴったりしないで空気が抜けるので乗った時に変な反発が少ないことや、音がいい感じに出たりと細かいところまでこだわった初心者向けけん玉の一つの回答に仕上がっています。

もちろん上級者の人たちもクロス要素を通じて色々と楽しみが広がってくと思います。いままでのプラスティックけん玉のように我慢してつかう、ではなく、楽しみながらきっちり使いこなせる、という機種に仕上がっています。たまだけ木製のけん玉と組み替える大人クロスしても楽しいかもしれません(ラバーカップをKDXにつけてみたり)。遊び方に制限がないので色々試していけちゃいます。

そしてこれはまだ第一弾、プラスティックけん玉でたまもカップも色優先で透明度が高い状態になっているので摩擦係数が低く、正直、灯台などの静止系が超絶難しいです。でもけん玉始めたての子供がいきなり灯台をすることはありません。まずカップ(皿)からですよね。

そして大きな皿で一通りできて、スタビライズカップではなくノーマルカップでもしかめが出来るようになったあたりで

image

クロス!

きっと摩擦係数の高いラバーを使用したカップや、皿自体に重量を追加できる機構や形状の違う何か、などどんどん世界が広がっていくのだと思います。

image

待ちきれないのでヨーヨープレイヤーにはお馴染みのフリクションステッカーを張ってしまいました。ラバー製のステッカーなのでこれで灯台や月面が出来るようになります。製品版が出るとすればもっとスマートだとは思いますが。

やりにくいけん玉にいくらカスタマイズ要素を付け足してもやりにくいままなのですが、KDXはたまのバランスとけんの形状のこだわりがしっかりしていることでクロスできるカップ部分に工夫をこらすことでけん玉本来の楽しみを損なわず遊びを遊びらしく広げていける方向になっています。

なのでこのけん玉ここが惜しいとかこうしたらよいのに、と思ったらそちらの方向にもしかしてクロスできるように誘導するための罠にハマっているのかもしれません。不完全なことで遊びの幅が広がり無限の可能性があるというある意味完成しているけん玉の真反対に位置するけん玉の遊びの可能性を広げるものになっています。

細かいこだわりポイントとしては他に

image

けんとカップに◆、■、●のマークがついていて皿の位置をいわゆるけん玉協会公認の大皿中皿小皿の正規の位置に簡単につけることが出来ます。
image

カップ側のXはスタビライズカップとノーマルカップを見分けるマークです。

一見カスタムして遊ぶけん玉に不要なように思いますが、通常のけん玉では右利きと左利きで皿の位置が反対になることもあり、正規の皿位置でKDXスキルを磨くことでいわゆるけん玉道に基づいたけん玉協会の公式検定にも対応することが出来る所作を身につけることが出来るようになります。

玩具要素満載と思いつつ、伝統あるけん玉道にも道が開けてるあたり、さすがNOBさんのプロデュースだと思います。

オシャレこだわり

image