2015年末にYoYoJamが活動終了してから9年が経ちました。
9年経った今でも、私はYoYoJamのヨーヨーを集め続けています。
2016年にリリースし、2017年にYoYoJam公認になった「NM9」もとい「NightMoves9」をリニューアルしました。
元々NM9はYoYoJamをインスパイアした、“分かる人にだけ分かる”オマージュヨーヨーとして発売されました。
セットになるストーリーブック9巻の巻末の「ナイトムーブズ特集」という記事では、
これまでのナイトムーブズシリーズ+未発売の「NightMoves8」の紹介もさせていただきました。
(ちなみに商品名の「WY-009」の部分はストーリーブックシリーズの通し番号なので、YoYoJamとは関連性はありません。)
その後YoYoJam公認ヨーヨーとなり、NM9は正真正銘NightMoves9となりましたが、商品名がNM9のまま完売していました。
また2020年にiYoYo社から「NiGHT MOVES X(10)」が発売されましたので、やはりナイトムーブズシリーズの9番目の枠はシュトルム・パンツァーがYoYoJamからお預かりしたままになっています。
であるから、せっかくお預かりした9番目の枠を無駄にしてはいけないと思い、今回改めてNightMoves9としてリニューアルしました。
セットになる冊子「All about NightMoves」では初代からXまで全てのナイトムーブズシリーズ+αを詳細に解説しています。
そしてすべてのYoYoJam製品の解説を1冊の本にまとめる企画、「All about YoYoJam」の執筆活動をここから再開します。
↓オールアバウトムーブズの見本画像8ページ分です。
(1)パッケージボックス
まずはシュトルム・パンツァーというブランド全体として、パッケージが一新しました。
これまでのパッケージは無地のクリアケースの上に機種ごとのラベルを貼るスタイル、もしくはクリアケースそのままでした。
今回から、2012年頃から2015年まで流通していたヨーヨージャムのパッケージをオマージュしたものになります。
(ストーリーブックがセットになる機種は、ストーリーブック配布終了次第、原則このパッケージに切り替わります。)
(2)形状とスペックの見直し
(左:NM9、右:クエスト)
NM9はヨーヨージャムの「ナイトムーブズ5」「ダイアモンドバック」「H3X(ヘックス)」を足して割ったような、
『ヨーヨージャムだったらこんなヨーヨー作りそう』というイメージから設計されており、性能は控え目です。
しかしリニューアルするにあたり、あえて性能を抑えるような設計ではなく、
『もしもヨーヨージャムが2016年まで続いていたら、2016年の競技会で戦うヨーヨーならこんな感じかなぁ~』
というヨーヨージャムがもうしばらく存続した世界線をイメージして設計しました。
あくまでも2016年ぐらい。いわゆる“現代風にリメイク”とは一線を画します。
『まだ各社がバイメタルを当たり前には作れない時代に、ヨーヨージャムが本気を出したらこれぐらい』というイメージです。
そこでベースになる機種がナイトムーブズ5から、松浦豪氏のシグネイチャーモデル「クエスト」に変わります。
大きくシルエットを変えずに、でも性能を向上させようと思ったらクエストになりました。
NightMoves9の設計と言うか、図面の書き起こしは毎度お馴染み、ヨーヨー力学第一人者・すっすーさん(薄野さん)。
ロゴマークの1/32スケールのナイトムーブズはアトリエ海百合もとい、チームヨーヨージャムを卒業した石川空(Sora Ishikawa)が描きました。(初出はNM9の2ndロットから。)
そして今回こだわったポイントの一つ。
「ネクストレベル」や「ダイアモンドバック」などに見られる“あのマーキング”をできるだけ再現しました。
iYoYo社の昔のブログを読んでいたら、どうやら“あのマーキング”はヨーヨージャムが特許出願していたらしく、完全に再現することは出来ませんでしたが(というかどうやってマーキングしているのかが不明)、雰囲気は伝わるかと思います。
(3)パーツについて
パッドサイズはNM9と異なり一般的なスリムサイズのパッドに変更。(NM9にはCP-11のパッドが使えます。)
ベアリングは引き続きフラットベアリングが初期搭載されています。
性能向上のためにセパレータの高さをギリギリまで下げて、ギャップ幅もギリギリまで広げていますので、フラットベアリングに細いストリングを組み合わせると、ストリングが脱落しないまでも急激にスリープロスすることがあります。
真面目にプレイで使い込みたい場合は曲面加工ベアリングなどに交換を推奨します。
そして誰も得をしない最大のこだわりは、「ヨーヨージャム純正のインチサイズのアクセル」を採用したことです。
ヨーヨーショップスピンギア(前身となるディップス時代も含めて)はヨーヨージャムの最初期からの正規代理店です。
単純に商品を輸入して販売・卸売しているだけでなく、日本国内でのプロモーションを総合的に代理・代行されていました。
数年前にスピンギアより「何かの役に立てて下さい」と、ヨーヨージャム純正のインチサイズアクセルを大量に譲っていただきました。
『ヨーヨージャムの文化財保護活動(布教活動)の役に立てて下さい』という意味だと察しましたが、
こんなに大量のインチサイズのアクセルをもらって、一体どうすればいいのでしょう……。
(ちなみにヨーヨージャム純正の綿100%ストリングの束も大量にいただきましたが、こちらも一体どうすればいいのやら……。)
そのアクセルの山の中に『AXL 9』と袋に書かれた、ヨーヨージャムの中では最も長さの短いアクセルが大量に入っていました。
また別の箱には一度『AXL#9』と書かれた上から訂正線で消されていますが、同じ長さの短いアクセルが入っていました。
ヨーヨージャムから発売されていたスペアアクセルは「AXL-1」から「AXL-8」までで、「AXL-9」は存在しません。
(取扱店舗によって表記が少々異なりますが、番号の意味は同じです。)
しかしどうやらこの『AXL 9』は「AXL-5」「#5」と同じ物のようです。
「AXL-5」「#5」は具体的にはネクストレベルSora Ishikawaバージョン、フェノムTi、トランセンド、H3X、ダイアモンドバック2、コライダー、キャプティベートなど、主にヨーヨージャム終盤のフラットフェイスのメタル機種に採用されていたアクセルです。
(※インチサイズ表記だと「UNC #8-32 x 3/8」と書きます。1インチ=25.4mmで、アクセルの長さ3/8インチ=9.525mmです。豆知識としてサイズCベアリングの外径は1/2インチ、内径は1/4インチです。)
譲り受けた純正アクセルの「9」という数字が何なのかは分かりませんが、NightMoves9を作るにあたり何か縁起の良さを感じたため、NightMoves9にはこのインチサイズアクセルを採用し、アクセルの単品販売用の商品名は「CP-17 YYJ Axle #9」としました。
どのアクセルが譲り受けたものなのか区別が付くように、シュトルム・パンツァーにて先端を水性インクマーカー(ポスカ)で緑色にマーキングしました。
「AXL-5」「#5」に該当するアクセルは緑色に、他のサイズに該当するものは他の色でマーキングする予定です。
なぜ互換性の無い、誰も得をしないインチサイズのアクセルをわざわざ採用するのか?
それはこの純正インチサイズアクセルが、、、NightMoves9がヨーヨージャム公認となったこと、
日頃のヨーヨージャム文化財保護活動(布教活動)が認められたことを誇示する血統書だからです。
ゆえに今回のNightMoves9を皮切りに、今後ヨーヨージャムのオマージュ的ヨーヨーでサイズCベアリングが装着されているものには、原則はインチサイズアクセルを採用していきます。特に需要は無いと思いますが一応スペアパーツとしても単品販売いたします。
(サイズDベアリング機の場合、この限りではありません。またSSシリーズの開発には関与していないので、この限りではありません。)
<セット内容>
・ナイトムーブズ9
・オールアバウトナイトムーブズ(A6サイズ冊子、オールカラー22ページ)
*The YoYoJam and Night Moves names are used with permission of Dale Bell.
直径:約55mm 幅:約42mm 重量:約68g(うちステンレススチールリム約28g)
ボディー素材:A6061(比重:約2.7)
リム素材:SUS304(比重:約7.8)
ベアリング:サイズCフラットベアリング
レスポンス:スリムサイズパッド
アクセル:CP-17 YYJ Axle #9
カラーバリエーション:ブルー、レッド
発売時期:2025年1月
希望小売価格:¥16,500
取扱方法・免責事項
アクセルは「CP-17 YYJ Axle #9」(インチサイズ)です。M4のアクセルが偶然ネジ穴に入る場合もありますが、ネジ穴が破損します。
初期搭載ベアリングはサイズCフラットベアリングです。本来の性能を発揮するには曲面加工ベアリング等への交換を推奨します。交換は自己責任でお願いします。
製造・組立・出荷の過程で小さな傷、汚れ、色ムラ、加工跡等が発生する場合がありますが、製品仕様となります。レーザーマーキングの濃さ、鮮明さには個体差があります。
--- 公式サイトより引用 ---