重量 | 66.4 | g |
直径 | 54.9 | mm |
全幅 | 45.8 | mm |
ベアリング | C | size |
パッド | Silm | size |
iYOYOのリメイクシリーズとして活動を休止しているHSPINのPyroが登場。
競技シーンでの使用に耐えるフルメタルヨーヨーの先駆けとして、また先進的なルックスで多くのプレイヤーを魅了したPyroが、最新ヨーヨーの設計ノウハウを取り入れてリファインされています。
←ProX Original Pyro→
特徴であった左右色違いのボディやファイヤパターンのプリント、またフェイス側の意匠は受け継ぎつつ、ボディ形状は近代風にアレンジ。エッジを大きく落として扱いやすく、ベアリングはDサイズから馴染みのあるCサイズに、それに伴いパッドの形状もスタンダードなものへ変更されています。
オリジナルのパイロに思い入れのあるプレイヤーにはもちろん、最新ヨーヨーとしても魅力あるモデルとなっています。
2005年12月に発売されたパイロはHSPINの創業オーナー、クリスK氏によるデザインで、HSPINらしさ、を象徴するモデルの一つでもあります。
今回は、2010年頃よりHSPINにデザイナーとして協力を始めたHadrien氏(現在日本在住)による再設計となりました。HSPINが活動を休止する前には、Coreシリーズと呼ばれていてHSPINラインナップとは別のラインナップの自身のシグネチャーとなるアンティポディースなどのデザインを行っています。活動休止後、会社を清算後もHSPIN復活の要望は高く、2013年にはヨーヨーサムのブランド、ZeekioとコラボレーションモデルとしてG&Eのミニチュアモデル、LittleEvilとLittle Evil2(ともに終売)の発売をして”復活”をしています。その際もデザインを行っています。
1997年に活動を始めたスイスのブランド。元々ChirsK氏がCadのソフトを扱う仕事をしていた関係で自分自身でヨーヨーのデザインをはじめました。エンジニアとしての知見も活かし最高のヨーヨーを思いついたつもりなのに周りの工場はまともに取り合ってくれなかったため、自身で会社を起こしていきました。Made in Switzerlandを一つの売りにしていて、最初の市販モデルはなんと薄型のアルミニウムボディーに真鍮リムのバイメタル。その存在が広く知られるようになったのはラウンドバタフライのバイメタル、Good and Evil シリーズから。機種の殆どが、Dサイズベアリングを搭載していてブランドを象徴する一つのスペックともなっていました。ChrisK氏の使いやすい、ではないどちらかというと”変な”独特のデザインセンスがヨーヨーコレクターを中心にファンを生み出しました。コンペティションチームというコンセプトではないHSPINファミリーと言う形でプロモーションチームが存在していたのも独特で、HSPINネットワークと言う形で公式サイトでログインをするとそのコミュニティーに参加できるのも特徴でした。コミュニティーをまとめ、多くのプレイヤーからフィードバックを得て製品化をしていくという”プロジェクト”として運営されていたのが他のヨーヨーブランドとも一線を画していました。
2012年に娘ができたことと新しい仕事を得たことでヨーヨーに割ける時間が少なくなり、外部のデザイナーや出荷、プロモーションなどアウトソーシングを試みたが借金が膨れていってしまい、キャパを超えたのでコミュニティーから去る、という動画を投稿して活動を一旦休止しています。(こちらに当時のTakaのブログがあります)2010年頃からすでに斜陽期に入っていたHSPINですが、Pyroに続く大成功となったEnvyシリーズをリファインし、ChirsK氏が最後に渾身のデザインによるBeyondEnvyを発売し、最後にHSPINらしさを打ち出していました。HSPIN=ChrisK氏のデザインセンス、といっても過言ではなかったブランドでした。終焉期にはデザインを人に任せたり、芯がぶれてトレンドを取り入れてしまったことが失敗だったと自身で反省を述べていました。
一つの時代の終わりを象徴するとともに、SNSで活動の終了を最後まできちんと行い一区切りをつけたのもHSPINらしさでした。
Pyroコレクション写真はこちらより見れます(#hspinpyros)